悲情城市 a city of sadness

映画

1989年 侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の台湾映画

主な出演者にウォン・カーウァイの「恋する惑星」に出演したトニー・レオン(DVD表紙の右側の男性)

白色テロの二・二八事件を扱っている

映画の時代背景は第二次世界大戦の日本の玉音放送が聞こえる。これは台湾の人にとって日清戦争からの50年に渡る日本の植民地からの開放を意味していた。
しかしそれは台湾の人々にとって束の間の喜びであった。
「祖国復帰」と喜べるものではなく、新たなコロニアル・マスターの中国(共産党との内戦に敗れた蒋介石の国民党)がやってきたのだった。
しかも前任の日本よりひどい統治で、汚職、失業等が増えただけで台湾の人々は希望から絶望に代わり「犬去りて、豚来たる(狗去豬來)」と嘆いた。
そのような中で、台湾人が中国に不満を高めていくと(勿論日本統治時代にも当然抗日運動はあった)1947年2月28日に事件は起きた。
それは台湾史上最も凄惨な虐殺事件であり、中国人が台湾人に対して無差別殺人を行ったものである。
死者は一カ月で民間人で3万人が惨殺されたと言われている。
後にポルポトが行ったような医者や教師のインテリ達を虐殺した(国民党は台湾で3万人虐殺したが、共産党の毛沢東は中国で7000万人を殺したと言われている)。
この映画の時代背景にはこのようなものがある。

簡単にストーリーを紹介するならば、戦後の台湾での新たな侵略者が来た中でのある家族の悲劇、である。しかしそこには家族の運命が台湾の歴史として寓意的に描かれている。

長男 文雄 上海マフィアに銃殺される
次男 文森 日本軍医として南方に送られ、生死不明。
三男 文良 上海マフィアに協力するも国民党に密輸で摘発され、後発狂
四男 文清 知識人として連行され、後行方不明

歴史の中での時の大国に挟まれた国は大変である。旧宗主国から開放されたとしても、新たな縄張りを渇望する国から睨まれるので、常に気が置けない。例えば旧宗主国のみかじめ料が30%で律儀だったのが、新宗主国のみかじめ料が50%になり、その上汚職まみれで不誠実、またそれが近い文化圏であれば一層悲劇である。身近なところで例えるとブラック企業が買収されて、そこにいた従業員が前よりマシになるかと期待したら、なお待遇が悪くなるようなものである。

ラーゲリ(ソ連時代の強制収容所。Wikiから引用 ’恐怖や猜疑心、疲労によって支配された過酷な環境下に置くことにより、体制への恭順な態度を導き出す手段として使用された。収容者は無償の労働力としても利用された。’)が悪化したようなものである。

舞台は基隆(台北からなら観光地として有名な九份の近く)

基隆はジーロンと呼び、台北から約1時間。電車もしくはバスで行ける。また九份(ジゥフェン)も映画のロケ地で使われているらしいので是非、巡礼に行きたいものである。

基隆市
九份 > 新北市

お茶を味わうなら「阿妹茶樓」が良さそうです。

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