十字砲火 Crossfire 1947

洋画レビュー映画

反ユダヤ主義、アンチ人種差別をテーマとしたフィルム・ノワール(犯罪映画)

映像的には白黒で、顔の部分に下からライトアップすることで不気味さを醸し出している。精神世界的にはアメリカ的な反知性主義的な雰囲気が醸し出された時代の頃である。

あの時のアメリカの赤狩り(THE RED RAT IN HOLLYWOOD)は魔女狩りに近いようなものでラーゲリ労働教養を擁した国とそう変わりはあるまい。

しかし、よくよく考えてみると非米活動委員会(HUAC)の連中は人種差別で有名なジョン・ランキンなどがいるのだから、今も根強く残るアメリカの精神風土の体現なのであろう。

2020年の風土は、アメリカ・ファーストを訴えた Gerald L. K. Smithにドナルド・トランプもブロウ・バックしてるかな。大恐慌にもなれば「誰もが王様」(“Every Man a King”)という政治運動が起きるはず。ここら辺は暗殺されたヒューイ・ロング(映画 All the kings men のモデル)と絡んでくるあたりなのだが、ポピュリストも差別主義者なのも民衆が支持してる限りは正義である。

もう一つの視点で見れば差別と棄民、これは有史上の政権側からのテーマなのかもしれない。

監督・出演者

監督:エドワード・ドミトリク (ハリウッド・テンの一人)

出演:ロバート・ライアン モンゴメリー役。「緑色の髪の少年」では博士役

出演:ロバート・ミッチャム

理由なき差別の殺人の答えは憎悪(学校で教えない歴史)

検事が、自身がマイノリティーであること、それが原因で親族が殺されたことを告白し、正義への導きを促すシーンがある。

「彼らは知らぬものを恐れる、それが憎悪になる」と言うセリフである。これが差別思想の根幹である。漫画ワンピースでは、光月おでんに「異形を恐れるは己の無知ゆえ」と語らせるのと同じ構図であるが、この図式は社会科学的真理である。日本で起きる事件もこの構図と同じであることが多い。

このようなことを深く考えさせてくれる、この映画は、監督自身も似たような境遇にいたからなのであろうか。いずれにせよ、教育的な映画として人類で共有すべきものである。

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