モスクワ橋にたたずんで

poem

ああ、なんてこった。もう一巻の終わりだ。
ハメられちまった。
アンナは来ない。

ひたすら真面目に生きてきた。
日本人らしく人生を会社に捧げてきた。
同期よりも出世し、社内の誰よりも英語もできてユーラシアの雄、
モスクワに赴任した。
妻や子供は国に置いて。

そんな時だ、ロシア美女のアンナに会ったのは。
窮屈な人生から外れ、人生の喜びを初めて知った。
俺はアンナに崇拝し、会社の金も渡し、秘密も全て伝えた。
今までの人生を捨て、これから共に生きることを誓った。
だが、今や駆け落ちの待ち合わせのモスクワ橋にアンナは来ない。。

川のほとりに座ろうよ。
さあ、休もう。
綺麗な川の流れで心を洗おう。

鐘の響の聞き納め、寂滅為楽と響くなり。
ドボン。

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