大島渚 日本の夜と霧 1960

Japan映画

戦後日本の分水嶺の時代

全編緊張感が流れる、ストレート1本な作品。

雰囲気的には、頭脳警察の「世界革命戦争宣言」や、ドクトル・ジバゴを想起させる映画である。

現代(2020年、安倍首相の時代から祖父岸信介の時代を)から見て考えることは、あの当時の特殊な状況はあるにせよ、総論的には、日本の選択肢は安保受け入れしかなかったと考える(豊かな方に、強い方につくしか弱小国の生きる道がないのは、独立できないサラリーマンが会社に雇われるのと同じである)。

世界情勢の視点でみると、安保闘争は、学生・労働者たちはロシアにつき、政府、財界、その他はアメリカについた、ということになる(吉田派の岸派に対する嫌がらせという構図もあるらしい)。

ミニマルな視点で言えば、ロシア側に着くことになった学生側の運動は、論理がない国での共産主義は宗教になるので、つまり共産主義は成立しない、それゆえ、運動は行き詰まるということが必然であった。

しかしながら映画の中での学生たちの戦前に戻りたくないという熱情は称賛されるべきではある。

現代の学生には、ほぼないあの熱さ(と教養)を持っていることがよい。現代は、豊さと引き換えの尊厳の売買(もちろん精神的な独立貧乏より、生物的には豊かな平和ボケが良いのは言うまでもないが)、生きるとは、社会に貢献するとは、世界の中の個人、という観念が死滅してるとも思われる。

でも現代の学生なら岩波書店の本を読むより、オライリーの本を読んで豊かになる方を誰だって選択するよね。。

革命で人類を救うという思想より、殺処分のワンちゃんを救う方の実践力が現代は要求されるし。。

また劇中の左翼運動の議論の論破の終着点はやはり個人の人格攻撃( ad hominem)になるのは、共産主義の信望でもなんでもなく、議論という論理が成り立たない、事大主義の日本でよく見られる風土、そしてまた結婚という個人的幸せより、革命を優先して考えろという左翼思想はプライベートより会社を優先しろというブラック企業の思想の変奏曲であると感じてしまった。

全編に流れる歌の引用。ソビエトの匂いと共に。。

若者よ

【作曲】関忠亮
【作詞】ぬやまひろし

  若者よ 体を鍛えておけ
  美しい心が たくましい体に
  からくも支えられる 日がいつかはくる
  その日のために体を鍛えておけ
  若者よ

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